知って得するアクセサリー基礎知識

●はじめに

現在ありとあらゆる商品が流通する中、コピー商品や偽物と言われる商品が多く存在します。また製品にまつわる表記や表示の正しい情報が消費者に伝わらないことでコピー商品を本物だと誤解してしまうケースもあります。更に販売者側から発信される過剰な広告や言い回し、商品に対する知識の欠如により適正ではない価格の商品や偽物が消費者の手に渡ってしまうケースも多く存在します。

そういった事情もあり、良い物・適正な価格の物が少しでも消費者に渡るよう、商品を選ぶ際に役立つ例を幾つか取り上げてみたいと思います。

 

①刻印

貴金属を購入するにあたり本物かどうか判断する基準として「刻印」があります。

まず、覚えていて欲しい事の1つに金・プラチナ・シルバーなどの貴金属に対して刻印を施す義務はありません。金やプラチナのジュエリーなどには、ほとんどの商品に対して刻印はされていますが、銀製品になってくると刻印がされていない場合もありますので、ここでは少しシルバーに焦点を当てて説明して行きたいと思います。

まず925とは銀含有量92.5%残りの7.5%は銅などの金属を混ぜた合金のことです。なぜ92.5%かと言うと99%だと硬度が下がり、ジュエリーなどにした際に少しの衝撃で変形が生じてしまうことから、強度と耐久性を持たせるため7.5%異なる金属を混合しています。

シルバーの刻印

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シルバーの刻印で最も代表的なのがこの925です。925の他に「SILVER」や「SV」などがあり925と同様の意味を表す刻印ですが925以外の純度のシルバー製品に刻印される場合もあります。

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欧米などの銀製品に多く見られるのが「STERLING SILVER」や「STERLING」の刻印。このスターリングは銀貨を表す英語スターラーに由来しており意味は同じく銀含有量92.5%の金属と言う意味です。


またタイのカレンシルバーなどは銀純度が9.50%~9.99%のシルバージュエリーですが、刻印の無い物も多く存在します。その他ではインディアンジュエリーにも刻印の無い物や発展途上地域の銀製品などにも刻印の打刻の無い物は多く存在しますので、刻印が無いからといって一概にシルバーではないと言う訳ではありません。 

 

 

金と金メッキについて  

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次にややこしいのがゴールドの刻印です。単純に「18k」と打刻しているのであれば純金24Kに対しての純度である18Kというある程度正しい理解はできるのですが、金箔張りや金メッキに施す刻印は「KGP」や「KGF」などの刻印がされています。

 

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上の写真に刻印されている「1/20 12KGF」の意味は、「KGF」=地金に金箔を張った加工Gold Filled (ゴールドフェルド)の略で、1/20は金属の素材の20分の1と言う意味なので、これらをまとめると「この金属の質量の20分の1は14金です」と言う事になります。 

 

ちなみにこの「KGF」は金箔が厚く熱加工されているため金箔が剥離することはなく金と同じ輝きを持ち、輝きを保つことができます。


最後に「KGP」ですが、この意味は「Karat Gold Plate」の略で一般的に金メッキと言われる加工で、表面にかぶせられた金箔はかなり薄いため、耐久性がなく、本物の金ほどは輝きも出ないので、いわゆる“ダミー”という認識で間違いないでしょう。

 

 

②天然石

天然石も金属同様に成分分析が容易に出来ないことから本物と判断しずらいために偽物や適正ではない価格の商品が多く存在します。また天然石の呼び名は正式名ではなく総称で呼ばれます。ダミーの天然石から高品質の天然石に到るまで同じ総称で呼ばれることにより消費者に誤った認識をさせてしまう原因の1つでもあります。

また「高額であれば高品質に違いないだろう」といった心理効果から低品質な商品を購入してしまうケースもあるので注意が必要です。

 

今回は、最もダミーが多いと言われている“ターコイズ”に焦点を当ててみましょう。

 

●ダミー編


プラスチック製ターコイズ

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こちらは石油系樹脂でできたターコイズです。

アクセサリーパーツ・ターコイズと言う商品名で販売されていた商品。

  

                                                                                                              

セラミック製ターコイズ

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セラミック(陶器)に着色を施したターコイズです。

この商品もターコイズネックレスとして販売されていた商品。感触は、やはり陶器っぽさがあるのでまだダミーだと判断できるとは思いますが、冒頭でも述べたように高額な商品にもこの類が使用されることもあるので注意が必要です。                        

                                                        

ハウライトターコイズ 

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ダミーターコイズとして最も流通しているのがこのハウライトターコイズです。

ハウライトはターコイズ同様にクモの巣状の模様を持つ白い鉱物で、青く着色することでターコイズに似せることができます。

ハウライトやターコイズ(着色)など商品説明にあれば特に問題はないのですが、ターコイズとして販売されているのが現状です。

 

 

 

●本物編

本物ターコイズ

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こちらは正真正銘の本物ターコイズです。
本物には違いないのですが強度を保つ加工と艶出し加工が施されたターコイズです。

先ほどのダミーとは質感が違うので本物と見比べると一目瞭然ですが、まれに青い着色を施したマグネサイトという鉱物が左の写真のターコイズの質感にそっくりなので、まだまだ注意が必要です。                         

高品質ターコイズ

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こちらはアリゾナ州やネバダ州から採掘されたターコイズ。

表面にはターコイズ特有のマトリクス(不純物)がありダミーのターコイズには無い特徴が多く見られます。

またスパイダーウェブ(クモの巣状の模様)部分がパイライト(黄鉄鉱)でできている物などアクセサリーとして価値の高いターコイズです。

             

最高級品質ターコイズ 

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こちらはイランで採掘された最高級ターコイズを使用して作られたリングです。

先ほどの高品質のターコイズとは違い曇りがなく不純物も全く無いので、逆に見分けが難しいかもしれません。

目利きのある方でしたら、高級品質のターコイズと判断できるとは思いますが、一般の方が判断するには難しいので、信頼できるショップを探してから購入を検討したほうが良いのかもしれません。


その他、ターコイズ粉末を樹脂で固めた“練りターコイズ”なども存在します。

また、ターコイズの色はブルーだけでなくグリーンやホワイトに到るまでカラーがありますが、ダミーが多いカラーは圧倒的にブルーです。しかしブルー以外のターコイズにもダミーは存在しますのでご購入の際に信頼できるはショップから購入を検討されることをオススメいたします。

 

 

翡翠(ヒスイ)編

2016年に日本鉱物学会が日本の国石として正式に指定され、ふたたび人気急上昇中の翡翠ですが、やはり偽物が本物同様に販売されるケースが多々あります。

まず覚えていて欲しいことの1つに翡翠はジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)の2種類が存在し、本翡翠と呼ばれるジェダイトは非常に高価で希少性の高い鉱物に対し、軟玉ネフライトは中国などで大量に採掘される価格の安い鉱物で両者は全くの別物です。

しかし、これらを見分けることは非常に困難なために軟玉ネフライトを本翡翠と偽り販売されると言う事例が頻繁にあります。

また偽翡翠商品のほとんどが隣国から輸入されたもので、偽の鑑別書までついた悪質な商品まで存在します。更に翡翠に似せて巧妙につくられたガラス製品や石油系樹脂までありますので注意が必要です。

 

 

ではジェダイトとネフライトの見分け方ですが、プロでも見極めが難しいとされる鉱物なので判断が非常に困難ですが、質の良い物なら幾つか特徴的な見極め方があります。

 

太陽など光源にかざした際に光の透過率が良く気泡などが無い

同じく太陽などにかざした際、表面に砂状の結晶が見える

熱伝導率が良いため触れた時に冷たく感じる

硬い棒などで叩くとキーンという高音がする

 

などです。

なかなか、このような実験をさせてくれるお店は少ないと思います。ましてや通販では実物すら触れることができません。

そんな場合は新潟県糸魚川市周辺に通販も含む翡翠専門店がありますので、そういった信頼あるショップから購入することをオススメします。

 

今後も新しい情報を更新して行きたいと思います♪

 

ご観覧ありがとうございました。

 

 

 

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